夜の彷徨

疲弊している。肉体的にも、精神的にも疲弊している。特に精神の方がもういっぱいいっぱいになって、いったん作業を中断することにした。

 

他人と一緒に何かをするということは、少なくとも自分にとっては容易なことではない。意見の食い違いも出てくるし、時には意見ではなくてもっと深い部分にある哲学の違いみたいな部分も出てくる。

そういう時、どうしたらいいんだろう。僕だったら、二人が真正面から話し合うこと=ぶつかり合うことで何か物事が解決に向かうのではないか、なんていう風に思わないこともないが、多くの人はそれを望まないらしい。ぶつかり合う代わりに、うまく距離を取る。距離というのは、実際に行われる相手とのやり取りにおける距離感でもあるし、自分の心の中で相手にどれだけ向き合うかという心理的な距離感でもある。そうした距離を意識的に操作することによって、相手との衝突を回避するのだ。

自分も、うまく距離を取りながらやっていく必要があるらしい。

距離の操作自体は何とかできそうに思える。だけど、それはそれとして、自分の中での感情をどういう風に対処すればいいかということはよく分からない。

 

いま目の前で起こっている出来事に必死に向き合うのもいいが、それと同じくらいに、自分の中にある大きなものみたいなものを大事にしたいなと思う。例えば「なぜ人は人を攻撃するのか?」みたいな、大きな人生の問い的なやつが自分の中にずっとあるような気がしないでもなくて、そういう問いのことを頭の片隅に置いておくと、それだけで少し心をリラックスさせて目の前の出来事に向き合える。それに、リラックスできるという効果だけじゃなくて、そういう小さな出来事の中で大きなものを探していくという生き方の方が、自分にとって目指すべきもののように思える。

ただ、ふつうに生きていると、大きなものを頭の片隅に置いておける余裕がなくなる。そういう意味では、何かを鑑賞する時間は良い。小説にせよ、漫画にせよ、絵画にせよ、音楽にせよ、風景にせよ、それをじっと見ていることで、自分の意識が小さなものから脱して大きなものへと向かっていく気がする。

そう思って、ZABADAKを聴き返した。「夜の彷徨」は名曲なので、ぜひ聴いてくれ。

 

ユートピア、壊れないで。

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