最後の花

今週のはじめは、シャツを着て外を歩くと少し汗をかくくらいの暑さだったのに、一昨日くらいから一気に空気が冷え始めた。コートを着ないと耐えられないくらいだ。
寒くなってきたのに合わせて、寒い季節に合う音楽が聴きたくなった。それで、昨日今日とaminomeを聴いている。

 

aminomeは、2009年から2022年まで活動していたバンドだ。
彼らの音楽性は、(自分流で)簡潔に表すならば「日本のインディーロック」なのだが、その形容はかなり的外れな気もしている。一言で言い表せないタイプの音楽性ということだ。
aminomeの音楽は、いわゆるインディーロックっぽいギターロックサウンドが基盤にありつつも、日本のフォークソング的な歌心や、ポストハードコア的な激しさもある。それでいて、それぞれの音楽的な要素がちぐはぐになっておらず、まとまった一つの音楽として高い完成度を誇っている。

比較するならば、山本精一が昔組んでいたバンドの羅針盤に近いものがあるかもしれない。羅針盤も、実験的な要素を取り込みつつも、フォークソングとしての高い抒情性を成立させた作品をいくつもリリースしてきた。

aminomeの音楽も、音楽的な実験と日本語のフォークソングとしての抒情性を併せ持つ。

とりあえず、3rdアルバムの『LOST TRACKS』収録の「最後の花」を聴いてもらいたい。
基本の進行とビートはオーソドックスなロックなんだけど、ギターの質感がめちゃくちゃ尖ってて、それでいて歌はかなり優しい感じ。
こういう音楽性って、実は意外と他にはあんまりない気がする。

個人的には、全バンドの音楽の中でトップクラスに好きな曲の一つかもしれない。

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aminome.bandcamp.com